遺産分割協議は必要?
遺産を分ける(分割する)方法は次の3つのいずれかになります。
- 法律で定められた割合(法定相続分)に従って分割する
- 遺言書に従って分割する
- 相続人同士の話し合い(遺産分割協議)に従って分割する
遺産に不動産が含まれる場合、それぞれの不動産について、誰か一人がその全てを取得するのが一般的です。
ひとつの不動産を複数の相続人で共有すると、貸したり売ったり等の自由な処分ができないからです。
そこで、遺言書がない場合には、遺産分割協議によって、それぞれの不動産を相続する者を決定することになります。
この遺産分割協議の内容を証明するのが「遺産分割協議書」で、不動産の登記や、預貯金の解約など、相続に関するさまざまな手続きにおいての必要書類となります。
なお、これは法律上の権利を証明する重要書類であるため、一定のルールに従って作成する必要があるので注意が必要です。
遺産分割協議書の書き方は?
遺産分割協議書は、さまざまな手続きで必要となる法的書面でありながら、その作成方法は法律で定められていません。
そこで、通常は次のようなルールに従って作成されます。
- 分割する遺産の対象は、確実に特定できる程度に、詳細に記載する
- 他の解釈ができない程度に、正確な表現を使用する
(「誰々に渡す」「誰々に管理させる」ではなく、「相続する」「取得する」を使用する) - 書面が複数枚に渡るときには、相続人全員が契印を押す
- 書面の最後に、相続人全員が住所を記載し、署名および実印による押印をする
(印鑑証明書の記載内容と一致する必要があります) - 相続人全員の印鑑証明書を添える
司法書士は何をしてくれるの?
遺産分割協議書を作成しても、その方法に誤りがあれば無効となってしまいます。
司法書士は、まず、協議内容の法的有効性を確認した上で、その内容に従って有効な遺産分割協議書を作成します。
また、あとでトラブルにならないよう、協議内容についての相談を受けることもできます。
その他、次のような業務等により、相続人の負担を軽減したり、有効な成立をサポートしたりします。
- 相続人の多くが遠方におり、協議をすることが困難な場合の書面のやりとり等の手配
- 相続人を特定するための調査(相続人が一人でも欠けると遺産分割協議は無効であるため)
- 依頼者の面識がない相続人との連絡等(遠い親戚の場合や、被相続人が認知した子など)
- 相続人の連絡先がわからない場合の住所調査
- 遺産の調査
- 未成年者(相続人の子)や認知症の方がいる場合の、裁判所への手続き
(この場合、別途に裁判所への手続きをしなければ遺産分割協議は成立しません)